
データを分析、管理する際に、異なるシステムやツール間でのデータ連携が多くの場合で必要になります。ただ、このデータ連携が予期せぬ問題によってスムーズに進まないことも少なくありません。本記事では、データ連携がうまくいかないときに考えられる主な原因と、安定したデータ活用を実現するための具体的な対策について解説します。
データ連携が失敗したときに考えられる原因
データ連携の失敗には、いくつかの共通した要因が考えられます。これらの原因を理解しておくことで、問題に早期に気づき、適切な対策を講じることが可能になります。データ連携でよく起こる失敗の原因を見ていきましょう。

システム設定に誤りがあって接続エラーが起きている
データ連携の失敗には、いくつかの共通した要因が考えられます。これらの原因を理解しておくことで、問題に早期に気づき、適切な対策を講じることが可能になります。データ連携でよく起こる失敗の原因を見ていきましょう。
システム設定に誤りがあって接続エラーが起きている
ネットワーク環境の不具合やシステムの設定ミスが原因で、システム同士がうまくデータ連携できないことがあります。具体的には、以下のようなケースが考えられます。
ネットワークの問題
ファイアウォールやプロキシのようなセキュリティ機能の設定が誤っていて接続がブロックされることがあります。また、VPNを用いている場合、VPN側の設定によって意図しない通信制限が発生し、想定していた通信が行えなくなるケースも考えられます。
接続先アドレスや認証情報の誤り
システム同士をつなぐためには、相手の「住所」にあたる接続先アドレス(URLなど)や、「通行証」にあたる認証情報(ユーザー名・パスワード、APIキーなど)が必要です。これらが間違っていると、データのやり取りはできません。特にAPI連携では、複雑な入力を行うことも多く、入力ミスやコピー&ペーストのミスが起こりがちです。また、アカウントでログインして連携するタイプのサービスにおいては正しいアカウントを選択しているかを確認しましょう。
アクセス権限の不足
無事に接続できても「このデータを見る権限がありません」と断られてしまうケースです。連携先のシステム側で、連携に使うアカウントに必要なアクセス権限(データの読み取り権限、書き込み権限など)が適切に設定されていないと、データの取得や送信ができず、結果的に連携が失敗します。特に、複数の部署や担当者が関わるクラウドサービスや社内の基幹システムでは、権限設定が複雑になりがちなので、慎重な確認が必要です。
連携させたいデータのフォーマットが合っていない
システム間で異なるデータ形式を使用していると、データの処理が正しく行われず、連携が失敗することがあります。例えば、日付フォーマットや数値の表記方法なども原因となり得ます。
また、文字コードの違いが原因で文字化けやデータの欠損が発生し、システムがエラーを起こしている可能性もあります。
データ連携が失敗したときに試したいこと
では、データ連携における問題解決に向けた具体的なアプローチを紹介します。

エラーメッセージを読む
エラーメッセージは、システムが検知した問題の詳細を示す重要な情報源です。多くの場合、システムはなぜ失敗したのか、ヒントとなるメッセージを表示してくれます。メッセージを読めば、接続エラーや認証エラー、データ形式エラーなど、発生している問題の具体的な原因を特定しやすくなります。
エラーメッセージはシステムの画面上に表示されますが、状況によっては単に「連携に失敗しました」と抽象的な内容しか出てこないこともあるかもしれません。そのようなときは出力されたログを確認しましょう。
ログとはコンピューターの利用状況や通信を、テキスト形式で記録したものです。データ連携が失敗したとき、具体的にどのようなエラーが起きたのかが、ログ上に記録されている可能性があります。
ログの内容を読み解けば、「連携時にどの手順で問題が起きたのか」といった詳細な情報を得られる可能性があります。まずはログを読んでデータ連携の際に何が起きたのか、もしくは何が起きなかったのかを調べてみましょう。
接続設定や認証情報を再確認する
接続設定や認証情報の誤りが疑われるときは、接続先のアドレスやポート番号、認証情報が正しく設定されているかを確認します。
連携先のシステムの接続アドレス(URLなど)やポート番号は正しいか?
ログインに使うユーザー名やパスワードは間違っていないか?
API連携の場合、APIキーやトークンは正しいか?有効期限は切れていないか?
連携に使うアカウントに必要なアクセス権限は付与されているか?(利用するアカウント自体が正しいかも確認)
また、システムのアップデートや設定変更によって、今まで正常に行われていた通信がエラーになることもあります。
必要に応じてデータ形式を変換する
「連携させたいデータのフォーマットが合っていない」ことが原因と思われる場合は、一方のシステムのデータ形式を、もう一方のシステムが扱える形式に合わせて変換する必要があります。
このような変換には、専用のツールや機能を利用すると効率的です。また、文字コードの違い(Shift-JISとUTF-8など)や、改行コードの違い(CRLFとLFなど)が原因でエラーになっている可能性も考慮し、確認・修正を行いましょう。
データ連携の失敗を防ぐための対策
データ連携の失敗を未然に防ぐには、事前のチェック体制や運用ルールの整備、システム同士の仕様確認など、複数の観点から対策を講じることが重要です。これらを計画的かつ体系的に進めることで、想定外のトラブルを減らすことができます。ここからは、データ連携の失敗を防ぐための対策について解説します。
データフォーマットを組織内で統一する
データの標準フォーマットを策定し、組織内の統一ルールを適用することはシステム間のデータ変換の必要性を減らし、処理の効率化にもつながり、長期的にはデータ品質の向上と連携プロセスの安定化が期待できます。
テスト環境で動作確認を行う
本番環境でのトラブルを未然に防ぐためにも、テスト環境でのデータ連携の動作確認を行いましょう。
テストの際はあらゆるケースを想定し、正常なデータの連携だけでなく、エラーが起こりやすい異常なデータや欠損したデータも含んだ複数のパターンでのデータ連携を検証しておきましょう。
また、システムは運用を続けていく中で、OSの更新や他のシステムの変更など、様々な要因で予期せぬエラーが発生することがあります。特に、連携に関わるシステムの設定変更や機能改修を行った後は、必ず再テストを実施することが重要です。
バリデーションと例外処理を組み込む
システム間のデータ連携では、想定外のデータが入力されたり、通信エラーが発生したりすることがあります。そのため、堅牢なバリデーション処理(※)と例外処理(※)の実装が不可欠です。
※バリデーション処理:受け取ったデータが要件を満たしているかどうかを確認する処理のこと。バリデーション処理がないと、想定していないデータの入力も受け付けてしまいシステム不具合の原因になる。
※例外処理:本来想定していない操作が行われた際や予期せぬエラーが発生した際に行う処理のこと。例外処理を十分に設定していないシステムはエラーが発生したタイミングで処理が停止し、システムのフリーズやデータの破損が起きることもある。
データ連携の失敗を防いで安定した運用を実現しよう
データ連携は、システム運用や業務プロセスの効率化を支える重要な仕組みですが、ひとたびトラブルが発生すると業務全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、失敗の原因を正しく理解できる、リスクを想定した設計と運用が不可欠です。
データ連携のトラブルが「起きてから対処する」のではなく、「起きないように備える」体制を整え、安定したデータ連携の運用を目指していきましょう。
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