コラム

2025/04/17

データ活用を取り入れたマーケティングとは?実施するメリットや手順を紹介 

デジタル技術の進歩に伴い、マーケティングの世界でもデータ活用が重視されるようになってきました。ビッグデータ分析やAIによるデータ分析の発展は、顧客行動のより深い理解や、これまで以上に効果的なマーケティング施策の立案を可能にしています。

本記事では、データ活用を取り入れたマーケティングの具体的なメリットから、導入の手順まで、日々の業務に役立つよう詳しく解説していきます。

 マーケティングにデータを活用するメリット 

データ活用を取り入れたマーケティングは、単に流行りの手法というわけではありません。ビジネスの成長に不可欠な多くのメリットをもたらします。顧客ニーズの的確な把握、効果的な施策の実現はもちろんのこと、組織全体の効率化にも貢献します。ここでは、皆さんが特に実感しやすい主要なメリットについて詳しく見ていきましょう。 

マーケティングにデータを活用するメリット

適切なマーケティング施策が見出せる

データ分析を活用することで、消費者の心理や行動パターンを読み取れます。これにより、顧客のニーズに合った商品やサービスを効果的に見出し、マーケティング戦略に活かすことが可能となります。 

データを活用したマーケティングは、直感や経験だけに頼る方法と比べて、より客観的で精度の高い意思決定、戦略立案を可能にします。新規事業や新しい市場への参入など、過去の経験が通用しにくい場面も、データ分析によって的確な判断がしやすくなります。 

属人化の解消につながる 

「あの人に聞かないと分からない」「過去の成功事例がブラックボックス化している」といった状況の解消は、マーケティングチームにとって大きな課題です。データを活用しないマーケティングでは、どうしても経験豊富な特定の担当者に業務が集中し、ノウハウが個人に蓄積されがちです。 

しかし、データ分析と活用を適切に行うことで、客観的な情報に基づいた戦略立案が可能となり、個人の経験値に左右されない判断ができるようになります。また、データという共通言語を用いることで、チーム内の誰もがマーケティング戦略の策定に貢献できるようになり、組織全体の知見が向上します。 

さらに、データマネジメントプラットフォーム(DMP)やカスタマーデータプラットフォーム(CDP)などのツールを導入すれば、これまでバラバラに管理されていた顧客データを一元的に管理・共有することが容易になります。これにより、部門間の連携がスムーズになり、情報共有の遅れによる手戻りや認識のずれを防ぐことができます。結果として、属人化のリスクが軽減され、組織全体のマーケティング力の底上げにつながります。 

カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上が見込める 

カスタマーエクスペリエンスとは単なる顧客満足度だけでなく、顧客とブランドとの接点全体を通じて得られる体験価値のことです。商品やサービスの利用時の印象はもちろん、問い合わせ対応や購入後のサポートなども含まれます。 

データを効果的に活用することで、顧客一人ひとりのニーズや行動の把握が可能になり、顧客体験を飛躍的に改善できます。例えば、顧客の行動データや購買履歴を分析すると、顧客の好みや購買パターンが把握できます。この情報を基に、顧客が次に求める商品やサービスを高精度で予測することが可能になります。実際にECサイトでは、顧客の閲覧履歴や購買履歴に基づいて、パーソナライズされたおすすめ商品の紹介などが行われています。 

 マーケティングに活用できるデータの分類 

マーケティングに活用できるデータは、データ収集方法や所有者によって大きく3つに分類されます。それぞれのデータタイプには特徴があり、適切に組み合わせることで効果的なマーケティング戦略を立案できます。ここでは、各データタイプの特徴と活用方法について詳しく解説します。 

マーケティングに活用できるデータの分類

1st(ファースト)パーティデータ 

1stパーティデータは、自社で直接収集し保有しているデータを指します。具体的には以下のようなデータが該当します。 

・顧客の基本情報(氏名、連絡先、年齢など) 

・自社ECサイトや実店舗での購入履歴 

・ウェブサイトの閲覧履歴、問い合わせ履歴 

・自社アプリの利用状況、アンケート回答 

1stパーティデータの最大のメリットは、その正確性と独自性にあります。自社で直接収集しているため、データの質が高く、競合他社が簡単には手に入れることのできない貴重な情報です。このデータを深く分析することで、顧客の行動やニーズをより正確に把握し、パーソナライズされたコミュニケーションやサービス提供につなげることができます。 

ただし、データの範囲は自社の顧客に限定されるため、まだ接点のない潜在顧客の動向や、より広範な市場全体のトレンドを把握するには限界があります。 

2nd(セカンド)パーティデータ 

2ndパーティデータとは、自社とパートナーシップを結んでいる企業から提供されるデータのことです。これは、パートナー企業の1stパーティデータを共有または購入することで入手できます。2ndパーティデータの活用例としては、以下のようなものが挙げられます。 

・航空会社と提携しているクレジットカード会社が、カード利用者の旅行に関するデータを共有し、特別なキャンペーンを実施する 

・自動車メーカーと保険会社が、コネクテッドカーから得られる運転データを共有し、安全運転者向けの保険プランを提供する 

・ECプラットフォームと物流会社が、配送データを共有し、より効率的な配送サービスを提供する 

2ndパーティデータを活用することで、自社のデータだけでは把握しきれない顧客の行動や属性に関する情報を補完し、より多角的な視点からマーケティング施策を検討することが可能になります。ただし、データの利用範囲やプライバシーに関する取り決めをしっかりと行っておく必要があります。 

3rd(サード)パーティデータ 

3rdパーティデータとは、外部の専門企業や調査機関などが提供する、広範囲かつ大規模なデータセットのことです。特定のウェブサイトの閲覧履歴、興味関心、ライフスタイルなど、多様なデータが比較的低コストで入手できる点が特徴です。3rdパーティデータの例と主な活用方法としては、以下のようなものがあります。 

・市場調査会社のデータを利用して、業界全体のトレンドや競合他社の動向を分析する 

・気象情報を活用して、気温や天候に応じた商品のおすすめや広告配信を行う 

・ソーシャルメディアの分析データを利用して、自社ブランドの評判や消費者の関心事を把握する 

3rdパーティデータは、2ndパーティデータ以上に広範なデータを扱えるため、自社では収集が困難な情報を活用したマーケティング施策を展開することができます。ただし、データの正確性や鮮度、プライバシーに関する注意が必要です。 

効果的なマーケティングを実現するためには、これらの3つのデータタイプをそれぞれの特徴を理解した上で適切に組み合わせ、統合的に活用することが重要です。 

マーケティングでデータを活用する際の手順

データを活用したマーケティングは、闇雲にデータを集めれば良いというものではありません。効果的なマーケティング施策を実行するためには、適切な手順を踏むことが重要です。ここでは、データ活用型マーケティングを成功させるための具体的なステップを解説します。

データ駆動型マーケティングプロセス

Step1.目的を明確にする 

まずはデータを活用して解決したい課題や達成したい目標を明確にします。例えば、売上向上、新規顧客の獲得、既存顧客のLTV(顧客生涯価値)向上などです。目的を明確にすることで、必要なデータの種類や分析方法が具体化され、効率的なデータマネジメントが可能になります。 

また、目標達成に向けたプロセスの進捗状況を数値で評価するために、KPIも設定しましょう。例えば、ECサイトの売上向上が目的の場合、コンバージョン率や平均購入金額などをKPIとして設定し、データ分析の焦点を絞ることができます。 

Step2.データを収集・分析する 

次に、Step1で明確にした目的に応じて必要なデータを収集し、分析を行います。データ収集には、顧客関係管理(CRM)システム、マーケティングオートメーション(MA)ツール、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)など、様々なマーケティングツールを活用すると効率的です。また、WebサイトのアクセスログやSNSのエンゲージメントデータ、ショップでの購買データなどもデータとして活用できます。 

収集したデータは、そのままでは分析しにくい場合が多いため、専用のツールを使って整理し、分析しやすい形に加工します。近年、急速に進化しているAI技術を活用することで、より高度なデータ分析を行うことも可能です。データ分析には専門知識が必要となる場合もあるため、必要に応じてデータサイエンティストやデータアナリストといった専門家のサポートや、コンサルティング会社の支援も検討してみてください。 

Step3.戦略の立案と実行 

集めたデータを分析し、そこから得られたインサイト(洞察)に基づいて、具体的なマーケティング戦略を立案し、実行に移します。ここで重要なのは、データ分析はあくまでマーケティング活動の一環であり、最終的なゴールではないということです。分析結果を鵜呑みにするのではなく、「このデータから何が言えるのか」「この情報をどう活用すれば目標達成に繋がるのか」を深く考察しましょう。 

例として、ECサイトにおける具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。 

・顧客の閲覧履歴や購買履歴に基づいて、一人ひとりに最適化された商品提案を行う 

・過去のメール配信データから開封率の高い時間帯を特定し、パーソナライズされたコンテンツを配信する 

・ウェブサイトから離脱した顧客に対して、関連性の高い商品をリターゲティング広告で再訴求する 

Step4.効果の測定と改善 

戦略を実行したら、必ずその効果を測定し、検証を行いましょう。設定したKPIを定期的にモニタリングし、施策が目標達成に貢献しているかどうかを確認します。もし期待した効果が得られていない場合は、データ分析の結果を再度見直し、戦略や施策を改善していく必要があります。 

この効果測定と改善のサイクル(PDCAサイクル)を継続的に回していくことで、マーケティング施策の精度と効果を段階的に向上させることができます。 

 データ活用でマーケティングの幅は広がる 

今回はデータを活用したマーケティングについて解説しました。適切なデータ収集と分析により、顧客ニーズの深い理解、効果的な戦略立案、そして顧客体験の向上が実現できます。 

データ活用の成功には、明確な目的設定、適切なツールの選択が重要です。データの種類によっては分析を専門とするデータサイエンティスト、アナリストの力を借りたほうが良い場合もあるでしょう。また、扱うデータによってはプライバシーへの配慮やセキュリティの確保などにも注意を払う必要があります。 

データ活用は、現代のマーケティングにおいて避けて通れない道であり、ビジネスの成長を大きく左右する要素となっています。データ活用のメリットを最大限に引き出すためには、ツールの導入だけでなく、組織全体でのデータリテラシーの向上も重要です。マーケティング担当者には、常に最新のデータ分析手法やツールに関する知識をアップデートし、データドリブンな思考を身につけていくことが求められるでしょう。 

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